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ヘアスタイル

2010年10月23日

美容師はトインの自毛をすべて編みこみ、これから、針(頭部の頂点付近、編みこまれた髪に刺してある白っぽい線)と黒い糸(針から垂れている黒い線)でその自毛につけ毛を縫いつけていく

9jaの若い女性たちは、髪型のことをつねに意識している。

彼女たちの髪には生まれつき細かいウェーブがかかっており、それが絡み合いながら上向きにふくらむように伸びる性質をもっている。だから、伸びてきた髪は編みこむか、専用のクリームを使って、ふくらみを押さえながら髪を下向きになでおろして束ねている。編んだ髪は2週間をめどにほどき、洗って、またあたらしく編みなおす。

髪型は、大きくわけて三つの手法でつくられていく。自毛をさまざまな模様に編みこむ「ディディ」、自毛とよく似たつけ毛を自毛と一緒に編みこみ、長さとボリュームをくわえる「ガーナ・ウィーボン」、それから、頭皮に密着するよう編みこんでまとめられた自毛に、欧米やアジア風のつけ毛やかつらを針と糸を使って縫いつけていく「フィックス」。近年、20代から30代の女性を中心にもっとも人気があるのは「フィックス」で、彼女たちは美容品店で好みのつけ毛やかつらを購入し、それを持って美容院へ急ぐ。2時間もすれば、あたらしい髪で自毛はすっかり覆われる。

2週間でまたあたらしいヘアスタイルを探す女性たち。巧みに編みこまれ、縫いこまれ、カットされてつくられていく。「日本はいいね、カメラとかコンピューターとか、最先端の技術があって」とよく言われるけれど、そういうみんなこそ、今、最先端にいる。

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美容師はトインの自毛をすべて編みこみ、これから、針(頭部の頂点付近、編みこまれた髪に刺してある白っぽい線)と黒い糸(針から垂れている黒い線)でその自毛につけ毛を縫いつけていく。美容師は素早く手を動かし(左)、止まることがなかった。
2008年12月21日 イフェ、イレモ地区の美容室にて

(毎週土曜日更新)