戦友よ
2011年9月17日
建築学部がある建物の脇に座って、授業を終えて出てきたマイケルと話をした。相変わらず忙しくしているマイケルとの1年ぶりの再会だった。
「ビジネスしながら生計をたてて、勉強もして、大変やね。どうやってこなしとうと?」
「本物の戦士って知ってる?」
「本物? 戦士の意味なら知っとうけど……」
「戦士の意味って?」
「なにかを守ったり、なにかを成し遂げるために闘う人」
「うん、そう。でもそれにくわえて戦士は戦場では絶対にうしろを振り向かない。過去を振り返らない。まえへ進みつづける。それが本物の戦士なんだ」
「マイケルらしさが全然変わっとらんで、なんかうれしいよ」
「俺らしさって? 変わってないって言われると、成長してないようにも聞こえるんだけど」
マイケルはけげんそうに笑った。
きみのような戦士がきょうもそこで闘っているから、わたしもここで闘える。時空を超えて、いつまでも戦友でありつづけたい。
(毎週土曜日更新)