「野球移民」を生みだす人びと ドミニカ共和国とアメリカにまたがる扶養義務のネットワーク
窪田 暁 著
ドミニカ共和国の少年はどのように野球と出会い、海を越えアメリカを目指すのか?
外国出身メジャーリーガーを最も多く送りこんでいる(※)ドミニカ共和国。気鋭の若手人類学者が、ドミニカとアメリカでの丹念なフィールドワークをもとに、「野球移民」と彼らをとりまく人びとの知られざる姿を描き出す。(※2015年シーズン終了時点、138人)
メジャーリーガーを含む現役プロ・OBとその家族、契約をめざす少年たち、スカウト、コーチへのインタビューや参与観察にもとづく「フィールドノート」60編も収録。
ミゲル・テハダ、ルイス・ビスカイーノの出身地区ロス・バランコネスでは元アカデミー契約選手の家族と生活をともにしながら取材。首都サント・ドミンゴではメジャー球団タンパベイ・レイズのアカデミーで選手・スタッフにインタビュー。アメリカではニューヨーク市ワシントンハイツ、ペンシルバニア州ヘーズルトン、マサチューセッツ州ボストンおよびリンでドミニカ移民を調査。
国境を越える「野球移民」たちの民族誌。
いま、あらためてノートを見返すと、ジョニーのこんなことばが記されていた。
「ドミニカの観光ガイドブックみたいなものは書かないでくれ。ビーチリゾート、世界遺産、温厚な人柄……。そんなきれいごとはウンザリだ。おまえは長期間、ロス・バランコネスに暮らして現実の生活を見たのだから、ありのままのドミニカの姿を日本人に伝えてくれ」
(「おわりに」より)
日本図書館協会選定図書(第2989回 平成28年3月23日選定)
- ISBN・分類コード
- 978-4-87950-621-4 C3039
- 価格
- 4300円(本体)+税
- 判型
- A5判 上製本
- 発行年月
- 2016年2月