民族衣装を着た聖母 近現代フィリピンの美術、信仰、アイデンティティ
古沢ゆりあ 著
民族衣装をまとった聖母像から、近現代フィリピンの歴史と人びとの姿が見えてくる。
若手研究者による、現地フィールドワークにもとづいた像(イメージ)の人類学。
20世紀以降、アジア各地で生まれた現地の伝統衣装を着た聖母マリアの絵画や彫像。これら「民族衣装を着た聖母」の誕生を、キリスト教が広く定着するフィリピンの事例からたどる。そこから浮かび上がるのは、スペイン植民地から独立革命を経て近代国家形成に向かう歴史を背景とした人びとの文化交渉とアイデンティティ形成の複雑な過程である。
- 『民族衣装を着た聖母』チラシ(PDF)
- 『美術運動』No.148で紹介されました
- ブックトーク・オン・アジア No.27 古沢ゆりあ『民族衣装を着た聖母―近現代フィリピンの美術、信仰、アイデンティティ』
- 『東南アジア研究』で紹介されました
- 『アジア・アフリカ地域研究』で紹介されました
- 第19回木村重信民族藝術学会賞を受賞しました
- 第35回辻荘一・三浦アンナ記念学術奨励金を受賞しました
はじめに―聖画像が“生きている”国
序章 民族衣装を着た聖母―包摂と異化の視覚表象
第一章 フィリピンにおける聖母崇敬の歴史と図像―マゼラン上陸からピープルパワーまで
第二章 バリンタワックの聖母―革命とフィリピン独立教会
第三章 ガロ・B・オカンポ作《褐色の聖母》―ローカルカラーとフィリピン近代美術
第四章 バランガイの聖母―信仰刷新運動、民間信心、奇跡譚
第五章 新たに生み出される現地の聖母―「フィリピンの聖母」と「フィリピンのマドンナ」
終章 まとめと考察
- ISBN・分類コード
- 978-4-87950-633-7 C3016
- 価格
- 6850円(本体)+税
- 判型
- A5判 上製本
- 発行年月
- 2021年2月