雨のなかのコンサート 喜納昌吉歌の風景
1989年10月
青木健作 著
富士出版 発行/清水弘文堂書房 発売
1456 円(本体)
「ハイサイ・おじさん」の喜納昌吉 歌・島・魂
着ていく服がないために半年おくれて小学校へ入学した。基地の待ちコザで奔放無頼な青春を送り、麻薬で服役した。昌吉は現在、若者たちと自給自足の共同生活を営みながら音楽活動をつづけている。“沖縄の心”を歌う異色ミュージシャンの挫折と再起を繰り返した軌跡をあぶり出す。
魂を燃焼させた昌吉サウンド
絶えず干ばつや台風にさらされた過酷な風土で生きねばならなかった沖縄の島びとの心情は、不遇な少年時代を送った昌吉の心の原風景でもあったはずだ。昌吉の音楽は、心に痛みや悲しみをもつ人々を励まし、抑圧された人々を鼓舞する音楽だといえないだろうか。
音楽家はどのように魂を燃焼させて美しい旋律(メロディー)を編みあげるのか、私にはわからないが、彼は一途に自分の好きな音だけを探求し、人間の生命の根源を歌いあげてきたミュージシャンではないかと思う。
(「まえがき」より)
- ISBN
- 978-4-87950-926-0 C0095
4-87950-926-4 C0095 - 価格
- 1456 円(本体)
- 発行年月
- 1989年10月