『山と渓谷』2月号で『狩りの思考法』が紹介されました
2022年3月1日
『山と渓谷』2022年2月号「注目の本」にて『狩りの思考法』を紹介していただきました。
評者は麻生弘毅さん(ライター)。「あれほどこだわった「探検」から自由になる思考の軌跡を描いている」とし、『空白の五マイル』や『極夜行』からの変遷に注目されています。
また、「漂泊」的な態度やイヌイットの価値観に感慨を抱きながら、それを安易に受け入れてしまえば「眼前の状況を自身で判断」したことにはならない……という矛盾に悩みつつも、本書を読む楽しさがつづられています。
書評はヤマケイオンラインのウェブマガジンYAMAYAでお読みいただけるほか、Amazon Kindle Unlimitedをご契約の方は『山と渓谷』本誌(バックナンバーを含む)を読むことができます。『山と渓谷』1月号より角幡唯介さんの連載「角幡唯介のあの山を登れば」も開始されていますので、あわせてお楽しみください。
京都新聞で『狩りの思考法』が紹介されました
2022年2月15日
京都新聞(2022年2月12日)にて『狩りの思考法』を紹介していただきました。
評者は鎌田裕樹さん(農家・文筆家)。極北のイヌイットが厳しい自然に向き合う「ナルホイヤ」の態度やその背景に触れ、「打ちのめされるような思いがした」と綴られています。
書評は京都新聞本紙のほか、鎌田さんのツイートでもお読みいただけます(本記事にも埋め込ませていただいています)。
今朝の京都新聞に角幡唯介さんの『狩りの思考法』について文章を書きました。自然に対するイヌイットの人々の考え方、未来を予期しない態度。狩猟民と農耕民ではそもそものスタンスが違うと承知のうえで、自然のなかで生きていると彼らのような思考に収斂していく実感があります。よろしければ。 pic.twitter.com/hhkd4zGiPr
— 鎌田裕樹|農家見習い、文筆業 (@Tuning_Books) February 12, 2022
『東南アジア研究』で『民族衣装を着た聖母』が紹介されました
2022年2月8日
京都大学東南アジア地域研究研究所が発行する『東南アジア研究』59巻2号にて『民族衣装を着た聖母』を紹介していただきました。
評者は川田牧人さん(成城大学文芸学部教授)。
文化人類学が民衆キリスト教研究の対象としてとりあげてきた聖母マリアの図像について,近代美術史(キリスト教図像研究)の領域からも照射する複眼的アプローチという類例の少ない試みに野心的に取り組んだ作品である。
と、同書の試みを希少なものと評価しながら、研究をより発展させうるポイントについて、詳細な読みをベースにコメントしてくださっています。
『東南アジア研究』59巻2号は同誌の公式サイトにてPDF版が全文公開されています。ぜひご一読ください。
『狩りの思考法』が各地方紙で紹介されました
2022年1月25日
全国各地の地方紙に『狩りの思考法』書評が掲載されています。
評者は服部文祥さん(サバイバル登山家・著述家)。
「実は探検や登山は持続可能な行為ではない」と、地球上の「地理的な未知」が有限だという問題からはじまり、角幡さんの現在の活動(犬ぞり旅行)が持ちうる意味や、角幡さんが共感するイヌイットの世界観と探検との関わりへと話は進んでいきます。
なお、弊社では北國新聞、埼玉新聞、中国新聞、山陰中央新報などへの掲載を確認していますが、掲載紙を完全には把握できておりません。ウェブ版としては山陰中央新報デジタルにて配信されていますが、会員向けの有料記事となっています。
『文藝春秋』で『狩りの思考法』が紹介されました
2022年1月18日
『文藝春秋』2022年2月号「有働由美子のマイフェアパーソン 37 探検家 角幡唯介『カーナビ、スマホは使わない』」にて『狩りの思考法』を紹介していただきました。
ニュースキャスターの有働由美子さんと角幡さんの対談記事で、『狩りの思考法』をお読みになったという有働さんが、まず「自分の価値観をえぐられるような、すごい読書体験でした」と切り出されています。
さらに、シオラパルクでの生活や犬ぞりでの長期旅行のこと、日本での家庭生活、「ナルホイヤ」という考え方などから、有働さんの学生時代の“デート”の逸話、幼少期にトイレが怖かった話などにまで話がおよび、対談が盛り上がった様子がうかがえます。
同記事は、文藝春秋digitalでも1月19日(水)より配信予定とのことです(途中まで無料公開、全文を読むには購読料 月額900円が必要)。
ブックトーク・オン・アジア No.27 古沢ゆりあ『民族衣装を着た聖母―近現代フィリピンの美術、信仰、アイ デンティティ』
2022年1月12日
京都大学東南アジア地域研究研究所 編集室が制作する音声プログラム「ブックトーク・オン・アジア」No. 27として、古沢ゆりあ著『民族衣装を着た聖母―近現代フィリピンの美術、信仰、アイデンティティ』を紹介していただきました。SoundCloudまたはYouTubeにてお聴きいただけます。
- ブックトーク・オン・アジア No.27 古沢ゆりあ著『民族衣装を着た聖母―近現代フィリピンの美術、信仰、アイデンティティ』(清水弘文堂書房、2021年) – SoundCloud
- ブックトーク・オン・アジア No.27 古沢ゆりあ著『民族衣装を着た聖母―近現代フィリピンの美術、信仰、アイデンティティ』(清水弘文堂書房、2021年) – YouTube
ブックトーク・オン・アジアは、中西嘉宏さん(京都大学准教授)が、アジアに関する最新本の著者に話を聞く音声プログラムです。『民族衣装を着た聖母』は美術と歴史・人間の関わりを記述した厚めの研究書ですが、中西先生は軽快な語り口で、古沢さんが感じている興味や、研究のおもしろさを引き出していきます。「フィリピンの民族衣装をまとった聖母像」という不思議な存在からうかがい知れる奥深い世界を、ぜひ楽しんでください。
ブックトーク・オン・アジアには、ほかにも親しみやすい入口から研究のおもしろさを知ることができる対談・インタビューがたくさんあり、著者・研究者の素顔をかいま見ることもできます。「地域研究とは何をやっているのか」がよくわかります。地域研究のおもしろい本を探している方、「なんとなく地域研究が気になっている」という学生の方には、特におすすめです。
伊藤亜紗「信頼のナルホイヤ」―ぼけと利他 村瀨孝生と伊藤亜紗の往復書簡 第30回
2022年1月11日
「みんなのミシマガジン」連載『ぼけと利他 村瀨孝生と伊藤亜紗の往復書簡』の第30回として、伊藤亜紗さんからの手紙「信頼のナルホイヤ」が掲載されました。
『ぼけと利他』は、特別養護老人ホームの施設長をつとめるかたわら介護・ケアに関する著作も多数ある村瀨孝生さんと、身体に注目する美学者で介護・ケアについての発信もされている伊藤亜紗さんの間で交わされる、往復書簡形式のブログです。
伊藤さんは、介護・ケアを受ける方が、ケアをする方々へ、その体を「あげる」、信頼して渡すという感覚になってくるのではないかという、現場からの声を紹介しています。また、伊藤さんと角幡唯介さんの対談が元旦の朝日新聞に掲載されましたが、伊藤さんはそのときのエピソードを村瀨さんに語り、「狩りの本質は介護やケアに似ている」という角幡さんの発言や、グリーンランド・イヌイットの「ナルホイヤ」精神や「大地への信頼」と、介護され他者に共有される身体のありかた、そこに生じる共同性には通底するものがあるのではないかと語っています。
この書簡は『狩りの思考法』をお読みいただいた方が読むことで、とても味わい深くなります。私たちの日常にも、よく見てみると「狩り」の世界に近いところが見つかるかもしれない。イヌイットの狩猟的な世界観がすこし身近に感じられるようになるかもしれません。
この問いかけに、介護に深く携わる村瀨さんがどう応答されるのかも楽しみです。
ダ・ヴィンチニュースで『狩りの思考法』が紹介されました
2022年1月11日
ダ・ヴィンチニュースにて『狩りの思考法』を紹介していただきました。
評者は本や映画のレビューを数多く手がけるすずきたけしさん。同書のエッセンスを巧みに切り出しながら、「“今目の前”の出来事との関わり」を重視する「漂泊」と、その「出来事」としての“狩り”の重要性へと読みをすすめ、「我々の日常がいかに自己都合を優先させ、「行動」と「生きる」ことが乖離していたことに気付かせてくれる」と締めくくっています。
上掲リンクから今すぐお読みいただけます。ぜひご一読ください。
『週刊SPA!』で『狩りの思考法』が紹介されました
2022年1月5日
『週刊SPA!』2022年1月11・18日合併号「カルチャー★フェス2022 ブック&コミック」にて『狩りの思考法』を紹介していただきました。
評者は日野剛広さん(ときわ書房 志津ステーションビル店)。本書を「自らの立ち位置から人間を俯瞰する思考の集大成とも言える」と評価。狩猟生活をするイヌイットの現代の文明社会とは対照的な価値観、考え方や、角幡さんの思考を読みときながら、「このような価値観を根幹から揺さぶる読書体験は、そうそうあるものではない」と熱い言葉で締めくくっています。
朝日新聞に伊藤亜紗さんと角幡唯介さんの対談「狩りとケアから考える」掲載
2022年1月5日
朝日新聞2022年1月1日号に伊藤亜紗さん(美学者、東京工業大学教授)と角幡唯介さんの対談「狩りとケアから考える」(シリーズ「共に在るということ」)が掲載されました。
一面すべてを割いたボリュームのある対談で、犬ぞり旅行と盲導犬、「目の見えない人」と「極夜の探検」、想定外の事態に対するイヌイットの柔軟な対応力、予測や制御が完全にはできない存在との関係性や信頼、狩りと介護・ケアなど、対話のなかでそれぞれがテーマとする対象に意外な共通点を見出しながら、「共に在る」ことへの洞察が深まっていきます。
『狩りの思考法』を紹介したものではありませんが、同書と共通のテーマがちりばめられた内容となっています。
この対談は有料会員記事として朝日新聞デジタルでも配信されています。
『芸術新潮』で『狩りの思考法』が紹介されました
2022年1月5日
『芸術新潮』2022年1月号PICK UP BOOKにて『狩りの思考法』を紹介していただきました。
評者は諏訪敦さん(画家、武蔵野美術大学教授)。北極冒険家の荻田泰永さんと交流があり、角幡さんの著作にも親しんでおり、「極限に向かう彼らの文章は、澄み切っていて魅力的だ」と評します。
『狩りの思考法』についても、キーワードである「計画性」やグリーンランドのイヌイットの「ナルホイヤ」という表現に触れながら、「実在のコアに触ろうとする、その手つきに、読者は強く惹きつけられるのだ」と締めくくっています。
『週刊現代』で『狩りの思考法』が紹介されました
2021年12月24日
『週刊現代』2021年12月4日号「日本一の書評」にて『狩りの思考法』を紹介していただきました。
評者は文筆家・イラストレーターの内澤旬子さん。同書のエッセンスを要約しながら「今こそ現実と対峙する思考法をイヌイットから学ぶべきなのかもしれない」と締めくくっています。