30
2010年7月31日
2010年6月25日。朝一番、オメナに電話した。
機嫌よく話す彼女。
「今日は仕事がオフになったから歯科クリニックへ行ってくるわ。ねぇ、信じられる? 誕生日に歯を抜かれるなんて」
「え~、それじゃケーキ食べれんちゃない?」
消灯まえに携帯でお祝いのメールを送った。寝ぼけ眼でオメナからの返事を読む。
「30になったってこと、ほんとうはすごくこわい。こんな気持ちになるなんて思わなかった。まあ、いいや。気にしないで。おやすみ、いい夢見るのよ」
夢の入り口で返信した。
「あと3か月でわたしもそうやけん。いい夢見ようね」
不安と期待であふれる胸に、30という夢を抱いて、わたしたちはあたらしい朝へ向かう。
(毎週土曜日更新)