清水弘文堂書房マーク 清水弘文堂書房 SHIMIZU KOBUNDO


まだ見ぬ孫たちへ

2010年9月25日

アブジャの司法学校に通うトインが、ラゴスの実家で暮らす息子のロティミを連れ、イフェのわたしを訪ねてくれた。ふだんは離れ離れに暮らす親子が一緒に過ごした、つかの間の3日間だった。

結局ね
一緒やったんよ、遠い異国の地へ行っても
みんながそう
嫉妬したり、抱きしめたり、絶交したり、祈ったり
うらやましい、愛おしい、腹立たしい、元気でいてほしい

それでさ、向こうの国のことよりも
自分が何を大切にしたいのかってことを
知るったいね
不思議なもので
ここにおったらなかなか気づけんちゃん

やけん、そのままでいいとよ
大切なものをいつくしむあなたたちの姿は、まぶしかよ

いつか、そう語りかけたい、わたしの孫たちへ

Photo
アブジャの司法学校に通うトインが、ラゴスの実家で暮らす息子のロティミを連れ、イフェのわたしを訪ねてくれた。ふだんは離れ離れに暮らす親子が一緒に過ごした、つかの間の3日間だった。
2009年6月22日 イフェ、モダケケ地区の下宿にて

(毎週土曜日更新)