リーダー
2011年4月16日
アフリカ大陸では、2011年早々からチュニジア、エジプト、コートジボワールで大統領退陣をめぐる市民、政府、軍隊の衝突が相次いで起こっている。リビア情勢も予断を許さない。大陸で非常に緊迫した空気が漂うなか、2011年4月9日、ナイジェリアで選挙がはじまった。16日には大統領選が、26日には州知事選がおこなわれることになっている。2010年5月に大統領が死去して以来、副大統領が暫定大統領として国を統治してきたが、いよいよ、4年ぶりに新政権・新大統領が選ばれるときがきた。
「ナイジェリアには自然資源も人的資源も豊富にある。問題なのは、わたしたちのリーダー」
なかばあきらめた口調で舌打ちとともにぼやかれる、搾取、汚職、贈収賄ばかりで不誠実なナイジェリアの政治家たちへの不満。日常会話で、新聞記事のなかで、ポップ・ミュージックの歌詞のなかで、このセリフに何度出くわしてきたことか。
だが、そんなナイジェリアにも、厚い信頼を寄せられるリーダーたちはたしかにいる。たとえばキリスト教の牧師や神父。毎週少なくとも1回、多いときは毎日教会へ足を運ぶが、リーダーのやり方が気に入らなければ、不満を募らせるまえに、周辺に数十、数百あるほかの教会へ移ればよい。多数決で決定し、最短4年間は変わることのない国や州、地域のリーダーとは異なり、教会のリーダーは、個人個人が自らの意思で評価・選択することができる。
リーダーを慕い、どこまでもついていくみんなの姿を教会で見ていると、この国で地にしっかりと足をつけ団結した人びとの力強さに、圧倒されずにはいられない。
(毎週土曜日更新)