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ゴッド・ブレス・ナイジェリア

2011年6月25日

2011年5月28日 ラゴス、オショディ・アパパ・エキスプレスウェイにて

2011年、9jaで再会した人たちの多くは、「震災で大変だったんだってね」と声をかけてくれた。新聞、テレビ、インターネットを通じて、「3.11」のニュースにこの国でもたくさんの人びとが胸を痛めた。

地震や津波、噴火や台風といった天災のない自国について、「これは神が9jaにあたえた恵みだ」と言う人たちがいる。それに対してかならず返ってくるのは、「天災はなくても人災だらけじゃないか。毎日どれほどの人間が交通事故で、病気で、空腹で死んでいってると思う?」という声。リーダー(政治家)たちが国の富を独占して居座りつづける限り、この人災は永遠に起こりつづけるという嘆きだ。

2011年5月より、ナイジェリア連邦共和国を率いるグッドラック・ジョナサンの新政権。死者をともなういくつかの暴動は起きたが、ナイジェリアの選挙史上もっとも公平に、最小限の被害におさえた選挙によって誕生した。「これからナイジェリアはよくなっていく」という期待の声も耳にするが、あたらしいリーダーたちは「人災」をとめることができるだろうか。1億5000万の国民の切実な願いは叶えられるのだろうか。

「ゴッド・ブレス・ナイジェリア(ナイジェリアに神の恵みあれ)」
渋滞でゆっくりと進むトラックの背に記された文字を、雨上がりに現れた光のなかではっきりと見た。

Photo
2011年4月の選挙後、同年5月末の新政権の誕生前日にナイジェリアに入国し、空港から友人宅までの道のりで目に入った文字。ナイジェリアのほとんどのトラック、大型トレーラー、バス、バイクタクシーなどの商用車には、「モットー」といって、車の所有者(ドライバー)の思い思いのメッセージや格言が書かれている。「モットー」を書くのは、地域のアーティストたちの仕事のひとつでもある。
2011年5月28日 ラゴス、オショディ・アパパ・エキスプレスウェイにて

(毎週土曜日更新)