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その日暮らし

2011年7月16日

2011年7月7日 イフェ イライェ地区のママケイの仕立屋の表にて

9jaには、ひととおりの生活用品を備えた店が道路沿いや住宅地のいたるところにある。ほったて小屋か4畳半ほどのコンテナの店がほとんどで、お日さまとともに開閉店する「コンビニ」のような存在。そこでかならず売られているのが、サチェット(少量入りの袋)だ。約10袋ずつつながっており、すだれのように店の表につるされている。客が注文すれば、サチェットは点線にそってひとつずつ切り離して売られる。

粉ミルク、調味料、歯磨き粉、洗剤、鎮痛剤、薬用クリームなど、さまざまなものが1回から数回で使いきれるようになっている。1サチェット、約10~20円。酒店には、何種類もの蒸留酒のサチェットさえある。なんでもサチェットで売られていることを、はじめは「便利な携帯用」商品が充実していると感心していた。けれども裕福なひとたちは1,000ナイラ札(約500円)の数枚入った財布を持って、市場で大袋(キロ)、箱(ダース)でお買い得なまとめ買いをする。「コンビニ」に用はない。

ポケットの奥にしわくちゃの100ナイラ札(約50円)を入れたひとたち、しわしわの手に10ナイラ札(約5円)を数枚握りしめたひとたち――その日、その日を生きる彼らとともにあるのがサチェットだと気づいたわたしの巾着のなかには、市場に行くだけのじゅうぶんな札が入っている。

Photo
サチェットを持つパパケイ(右)と奥さんのママケイ(左)。左から、洗剤、粉ミルク、歯磨き粉、蒸留酒、コンデンスミルク、マーガリン、蒸留酒。
2011年7月7日 イフェ イライェ地区のママケイの仕立屋の表にて

(毎週土曜日更新)