アフリカの衣
2011年9月10日
糊、蝋、糸で防染して染色された、藍一色や大理石模様の染物。綿の生地にメタリックな化繊でハイライトされた織物。工場の大型機械によってプリントされた、原色でユニークな柄の布。レース編みにスパンコールの散りばめられたカラフルな布。どれもナイジェリアの伝統的・国民的な布である。いまでは国産品だけではなく輸入したものを利用することも多いが、いずれも日常から冠婚葬祭時まで、国民にひろく親しまれている。布は4.5~5.5メートル単位で売られ、人びとはそれを仕立屋に持って行き、オーダーメイドの服をつくる。
それでも大学生を中心とした若い男女は、タイトなジーパン、Tシャツ、ポロシャツ、チューブトップ、キャミソールワンピースなど、圧倒的に欧米スタイルの服を好んで着る。中国やドバイから輸入された新品の既製服も、ヨーロッパから輸入された古着も、伝統的な布と一緒に市場を彩る。
鮮やかな色合いや土っぽい風合いに魅かれて「アフリカの布」をもとめる外国人は多いけれど、ここで暮らす人びとは大陸の内外でつくられた豊富な種類の衣をまとい、お洒落をたのしんでいる。
(毎週土曜日更新)