式に集う
2011年10月15日
太鼓の音が鳴り響き、祝賀モードで家は華やかにごったがえしている。誰もが歌い踊り、笑っている。何種類もの香水と宴の料理のにおいが漂っている。まばゆいばかりの視線とフラッシュを浴びて、花嫁は座っている。紅と黄金の錦につつまれ、プラチナの目もとでにじむ涙も、微小なクリスタルの汗も、かがやいている。たくさんの人たちから祝福を受けながら、メディナはいま、結婚式を挙げている。
式の規模やスタイル、そして式を挙げることの価値観というのは、民族や国、個人によって異なる。それでも、親しい、身近な、大切な人たちがそろうめったにない機会という意味では、9jaも日本もおなじだ。親戚や友人たちは、それぞれの人生において忙しい日々のさなかであっても、ある人や家庭のために、おなじ時空に集う。
メディナと会うのは4年ぶり。胸もとに大きなウサギのマンガがプリントされたTシャツを着てふざけていた少女を、歓喜のなかで思い出す。いまも変わらぬあの笑顔をしている。鳴りやまない声と音のなかで、永久の円満を願った。
(毎週土曜日更新)